アダチの気持ち

好きを撒き散らかすので、そこから何か拾ってください

第3話 “努力”

努力は裏切らない

少しだけ昔の話をしよう。

私は小学校のとき、野球部だった。

人より少し体格がよかったため、ピッチャーをやっていた。

下手くそだった。

めちゃくちゃ下手くそだった。

すぐ打たれるし、四死球多いし。

何も楽しくなかった。

だから、努力をした。

馬鹿みたいに努力をした。

朝も昼も夜も野球をした。

勉強の合間にランニングをした。

飯を食ったあとに筋トレをした。

土日は投げ込みをした。

かっこよくなりたかった。

誰にも負けたくなかった。

ピッチャーは孤独だ。

 

6年生になると市内で1番のピッチャーになった。

市内の小学校の野球部で私を知らない人はいなかった。

私が投げれば試合に勝った。

だから、投げた。

投げて投げて投げ続けた。

肘が痛かったけど勝つために投げ続けた。

病院に行った。

野球肘と言われた。

もう少し遅かったら普通に生活も出来なくなっていたと言われた。

手術をするかと言われた。

手術すれば一年後には野球ができる。

しなければ肘は治るが運動は基本的にできなくなる。

そんな選択を小学生にさせるかと思った。

 

手術をした。

やはり、野球がすきだったから。

野球をしたかったから。

 

努力に裏切られた

中学にあがった。

1年目はリハビリに通いながら球拾いをした。

ランニングをするのは禁止されていた。

2年目になってようやく野球ができるようになった。

また、努力した。

試合に出たかった。

だから、努力した。

でも、1年のブランクは埋まらない。

結局、3年になってもレギュラーにはなれなかった。

悔しかった。

努力に裏切られた。

本気でそう思った。

もう努力なんてしたくないと思った。

努力すれば夢は叶う。

そんなの嘘だ。

そんなの偶像だ。

そんなの夢物語だ。

もう努力なんかしない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふっざけんな!!

てめぇごときの努力で叶わなかったからって絶望してんじゃねぇ。

足りねぇんだよ。

死ぬほどやってねぇだろ。

努力をしろ。

人生は努力だ。

努力してない人間は死んでいる。

死ぬまで努力しろ。

死ぬために努力しろ。

死んだ時に笑えるように努力しろ。

まだ足りねぇ!

お前の努力はまだ足りねぇんだよ!

調子乗るな!

 

 

努力はぜってぇ裏切らねぇから!!